家づくりと冷蔵庫の愛の関係 #432

こんにちは。

パッシブハウスx
「ずっとお金のかからない家をつくろう」
の工務店 株式会社スズモクの鈴木です。

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家づくりと冷蔵庫の愛の関係

注文住宅やリノベーションの

設計において、

キッチンの主役は

システムキッチンやカップボード
と思われがちです。

 

 

しかし、それだけでなく

毎日の家事の快適性や

LDK全体の美しさを大きく左右するのは
「冷蔵庫の配置」です。

 

冷蔵庫はキッチンの中で

最も頻繁にアクセスされ、

かつ最も存在感のある大型家電です。

 

 

冷蔵庫の配置パターン、

動線計画、デザインの工夫、

そして設計時に見落とせない

寸法・設備の注意点を解説します。

1. 冷蔵庫の配置における

3つの選択肢とそれぞれの特徴

冷蔵庫をどこに置くかは、

調理をする人の

「家事動線」だけでなく、

飲み物や軽食を取りにくる家族の

「生活動線」をいかに

分離するかという問題に直結します。

 

主に次の3つの配置パターンがあり、

それぞれの暮らし方に合わせて

選ぶ必要があります。

パターンA:

キッチンの手前(ダイニング・リビング側)に配置する

最も一般的であり、

家族みんなで使うことを

最優先にした配置です。

 

この最大のメリットは、
高いアクセスのしやすさ にあります。

 

料理をしていない

家族(子どもやパートナー)が、

喉が渇いたときや

食事中に調味料を取りたいときに、

調理スペースの奥まで

入る必要がありません。

 

これにより、
調理中の人と

家族の動線が交差せず、

互いにストレスなく

スムーズに過ごすことができます。

一方で、この配置には

 生活感が出やすい という

デメリットが存在します。

 

リビングやダイニングから
冷蔵庫の正面や側面が

丸見えになりやすいため、

冷蔵庫のデザイン選びに気を配るか、

あるいはパーテーション壁を

立てて視線を遮るなどの

建築的な工夫が必要になります。

パターンB:

キッチンの奥(コンロ側・壁際)に配置する

LDK全体の美しさと、

調理への集中を重視した配置です。

この配置の大きなメリットは、
生活感をスマートに

隠せる 点にあります。

 

リビングから見てキッチンの

奥側に配置することで、

冷蔵庫が死角に入り、

空間全体がすっきりと

洗練された印象になります。

 

来客が多い家庭など、

生活感を極力見せたくない

場合に適しています。

しかし、実用面においては

 動線の衝突が起きやすい

 というデメリットがあります。

 

家族が冷蔵庫に

アクセスするたびに、

調理中の人の背後を

通り抜けてキッチンの奥まで

入ってくる必要があるため、

作業が中断されたり

通路で体がぶつかりそうに

なったりすることがあります。

 

この配置を選ぶ場合は、

通路幅を通常より

広め(100cm以上)に

確保することが推奨されます。

パターンC:

パントリー(食品庫)の内部に配置する

生活感を徹底的に排除し、

ホテルライクな美しい暮らしを

目指す方に選ばれる配置です。

 

メリットは何と言っても、 

生活感を完全に

ゼロにできる ことです。

 

扉付きのパントリー内に

冷蔵庫を丸ごと収めてしまえば、

LDKのどこからも

冷蔵庫が見えなくなり、

上質なインテリア空間を維持できます。

ただし、

この美しさの代償として 

調理時の利便性の低下 という

デメリットを受け入れる

必要があります。

 

食材を一つ取り出すたびに

パントリーまで移動し、

扉を開閉しなければならないため、

料理の効率は落ちてしまいます。

2. 効率的な作業空間を生む

「ワークトライアングル」

キッチンの使い勝手を

評価する世界的な基準として

「ワークトライアングル」

という概念があります。

 

これは、「シンク(水まわり)」

「コンロ(火まわり)」

「冷蔵庫(蔵まわり)」

の3つの中心点を結んでできる

三角形のことです。

この3辺の合計距離が

適切な範囲に収まっていると、

無駄な動きが減り、

驚くほど調理がスムーズになります。

 

理想的な

ワークトライアングルの

合計距離は、以下の

不等式で表されます。

3.6m ≤シンクまでの距離 + コンロまでの距離 + 冷蔵庫までの距離 ≤ 6.0m

この合計距離が

3.6m未満と短すぎると、

調理や食材を置くための

十分な作業スペースが不足し、

窮屈なキッチンに

なってしまいます。

 

逆に6.0mを超えて長すぎると、

食材を取りに行ったり

鍋を火にかけたりするたびに

歩く距離が増え、

毎日の家事で疲れやすくなります。

 

さらに、それぞれの

要素間の距離にも目安があり、
特に「シンクから冷蔵庫まで」は

 1.2m 〜 2.1m の間に

収めるのがベストとされています。

3. 存在感をコントロールする

「見せる」と「隠す」

のデザイン工夫

冷蔵庫はその巨体ゆえに、

空間のインテリアに

大きな影響を与えます。

 

家づくりにおいて、

冷蔵庫の存在感を

どのようにコントロールするかは

センスの見せ所です。

 

建築的に隠す工夫:

冷蔵庫専用ニッチ

冷蔵庫の奥行きは、

多くのシステムキッチン

(奥行き65cm)よりも深く、

70〜75cmほどあるのが一般的です。

 

そのため、普通に並べると

冷蔵庫だけが手前に

ポコッと飛び出してしまいます。

 

これを防ぐために、

冷蔵庫を置く部分の壁を

10〜15cmほど奥へ凹ませる

「専用ニッチ(壁のくぼみ)」

を作る手法が有効です。

 

これにより、

前面のラインが

カップボードと綺麗に揃い、

通路がすっきりと広く保てます。

 

あえて見せる工夫:

インテリアとの調和

隠すことが難しい間取りであれば、

最初から「見せる」ことを前提に

冷蔵庫を選びます。

 

最近の冷蔵庫は、
マットな質感のスチール調、

鏡面ガラスドア、

木目調など、

デザイン性に優れた

モデルが増えています。

 

システムキッチンの面材や床の色、

あるいはダイニングの家具の色と

冷蔵庫のカラーを統一することで、

家電ではなく家具の一部として

空間に溶け込ませることができます。

4. 設計時に必ずチェック

すべき寸法と設備の盲点

図面の上では完璧に見えても、

実際に暮らし始めると

「使いにくい」と感じたり、

最悪の場合は「搬入できない」という

トラブルが起こり得ます。

 

以下の項目は

必ず設計士や

インテリアコーディネーターと

確認してください。

 

ドアの開閉方向と壁の関係: 

片開き(右開き・左開き)の

冷蔵庫を壁際に配置する場合、

壁の方向にドアが開くようにしないと、

ドアが壁に干渉して

90度までしか開かず、

中のトレイや野菜室が引き出せない
という致命的な失敗が起こります。

 

壁際なら観音開き(フレンチドア)か、

壁と反対側に開くタイプが必須です。

 

放熱スペースの確保: 

冷蔵庫は効率よく

食材を冷やすために、

本体の周囲から熱を逃がす必要があります。

 

メーカーによって異なりますが、

一般的には左右に0.5cm〜数cm、

上部に5cm以上の隙間が必要です。

 

ニッチを作る際は、

冷蔵庫ぴったりではなく、

この「放熱スペース」を

加味した寸法で設計しなければなりません。

コンセントの配置位置: 

冷蔵庫のコンセントは通常、

埃が溜まって火災(トラッキング現象)

が起きるのを防ぐため、

また抜き差しがしやすいように、

冷蔵庫の天板よりも高い位置

(床から180cm〜190cm程度)に

設置します。

 

目立たないように隠しつつ、

安全に管理できる位置を

事前に指定しましょう。

 

将来の買い替えを見据えたサイズ設定: 

現在使っている冷蔵庫に

合わせてスペースを設計すると、

将来家族が増えて

大型の冷蔵庫に買い替える際に

入らなくなってしまいます。

 

一般的に、将来的に定格内容積
500L以上の大型モデル

(幅65〜68.5cm、奥行き70cm前後)を

置く可能性を考慮し、

幅75cm〜80cm程度の

ゆとりを持った有効スペースを

確保しておくのが賢明です。

冷蔵庫の位置で

間取りが難航することも

多々あります。

 

冷蔵庫をどう愛せるのか?

が答えになることでしょう。

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