「寒い家」が命を削る?国が動いた『スマートウェルネス住宅等推進事業調査』の全貌 #444

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「寒い家」が命を削る?国が動いた

『スマートウェルネス住宅等推進事業調査』の全貌

私の住んでいる地域

茨城県は寒暖差の強い地域です。

 

冬の日中は10℃くらいになるものの

深夜はマイナス5℃。

 

室内環境でも寒暖差があり

ヒートショックで亡くなる方が

多い地域です。

 

 

日本全体としても

「家の中なのに息が白い」

「脱衣所が凍えるほど寒い」

といった光景が当たり前のように見られます。

 

長年、それを

「我慢するもの」として

受け入れてきました。

しかし、その「寒さ」が

居住者の命や健康を

直接的に脅かしているとしたらどうでしょうか。

 

この事実を科学的に証明し、

日本の住宅政策を根底から覆したのが、

国土交通省が主導した

「スマートウェルネス住宅等推進事業調査」です。

この国家プロジェクトがなぜ立ち上がり、

どのような役割を果たしたのかを解説します。

なぜ国は立ち上がったのか?

(プロジェクト発足の背景)

この大規模な調査プロジェクトが

2014年度に発足した背景には、

国が抱える2つの大きな危機感と、

1つの高い壁がありました。

1.交通事故を上回る「家庭内での不慮の死」
当時、日本の交通事故による

死者数が減少する一方で、

入浴中の急死(主にヒートショックが原因)は

年間約2万人に達し、

交通事故死の数倍という

異常事態に陥っていました。

 

 

「暖かい居間」と

「寒い脱衣所・浴室」

の激しい温度差が、

高齢者の血圧を乱高下させ、

脳卒中や心筋梗塞を

引き起こしていたのです。

 

2.限界を迎える「医療・介護費」
超高齢社会において、

国は病気になってからの「治療」から、

病気にならないための

「予防」へ舵を切る必要がありました。

 

住宅環境が生活習慣病や

要介護状態(フレイルなど)の

温床になっているのであれば、

家そのものを改善することが

最大の予防医療になると考えたのです。

 

3.欠けていた「医学的エビデンス(証拠)」
「暖かい家は体に良い」という

感覚的な理解はあっても、

数百万円かかる断熱リフォームを

国民に促すには根拠が足りませんでした。

 

「室温が何℃上がれば、血圧がどれだけ下がり、

病気のリスクが何%減るのか」という、

費用対効果を示す

明確なデータが必要だったのです。

調査で浮き彫りになった

「日本の家の残酷な現実」

調査は、建築と医療の

専門家がタッグを組み、

全国数千世帯の断熱リフォーム前後における

「室温」と「居住者の健康データ」

を長期的に追跡するという、

世界でも類を見ない規模で行われました。

その過程で、

日本の既存住宅がいかに

過酷な環境であるかが

データとして突きつけられました。

WHO(世界保健機関)は、

健康を守るための最低室温として

「冬季18℃以上」を強く勧告しています。

 

しかし調査の結果、

日本の家屋では以下の

実態が判明しました。

居間の平均室温が18℃に

満たない住宅:約6

 

寝室や脱衣所の平均室温が18℃に

満たない住宅:約9

「夏を旨とすべし」という

風通し重視の伝統と、

断熱への意識の遅れが、

先進国でありながら

「家の中が外気温の影響を

直接受ける寒冷住宅」を

大量に生み出していたのです。

断熱改修がもたらす

「劇的な健康改善効果」

このプロジェクトが

果たした最大の役割は、

「住宅の断熱性能の向上が、

確実に居住者の健康を改善する」

という事実を医学的に実証したことです。

断熱リフォームによって

家全体を暖かく保てるようになった結果、

次のような劇的な変化が確認されました。

血圧の有意な低下
起床時の最高血圧が

平均3.1mmHg低下しました。

 

たった3mmHgと

思われるかもしれませんが、

このわずかな低下が全国規模で起きれば、

脳卒中や心疾患による死亡リスクを

劇的に押し下げる効果があります。

 

もともと高血圧の高齢者ほど、

この改善効果は顕著でした。

 

日常の不調の改善
就寝前の室温が低い家ほど、

夜間に何度もトイレに起きる

「夜間頻尿」のリスクが

高いことが判明。

 

断熱改修によって睡眠の質が向上し、

こうした日常的な不調も

改善されることが分かりました。

 

活動量の増加
家が寒くないため、

居住者が家の中で

体を動かす時間(非座位時間)が

1日あたり数十分増加しました。

 

これが糖尿病の予防や、

高齢者の筋力維持に直結します。

調査がもたらした最大の功績
建築業界のテーマであった「省エネ」と、

医療業界のテーマであった

「健康」をデータで結びつけ、

「断熱は究極の予防医療である」

という共通認識を社会に根付かせたこと。

単なる「省エネ」から

「命を守るインフラ」へ

「スマートウェルネス住宅等推進事業調査」は、

ただの学術調査で終わることはありませんでした。

この圧倒的なエビデンスを武器に、

国は現在「先進的窓リノベ事業」を

はじめとする超大型の補助金制度を

展開しています。

 

「光熱費を安くするため」ではなく、

「国民の健康寿命を延ばし、

医療費を抑制するため」の

国家戦略として、

住宅の断熱化を推し進めているのです。

でも残念ながら新築であっても

「家が寒いのは当たり前」

という時代はまだ終わっていません。

 

 

今住んでいるところより

暖かければOKではないのです。

 

 

そしてもちろん

健康なだけで無く

快適で気持ちよく省エネで

こころとカラダが整うような

家をつくっていくべきなのです。

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