こんにちは。
パッシブハウスｘ
「ずっとお金のかからない家をつくろう」
の工務店 株式会社スズモクの鈴木です。
その目指す理由や、つくる家の詳細は
スズモク公式WEB
https://www.8341ie.com
地元で大きな火災がありました。
工場で、リサイクル用の
廃プラスチックなどが激しく燃える火事が
あり、なかなか鎮火の目処が立たないと
ニュースになりました。
私の自宅や会社はかなり
離れていますので
特に心配はありません。
ここ最近、全国的に火災が多い感じています。
建物をつくる場合に
省令準耐火構造というものがあります。
火災時に燃えにくいため
逃げる時間が稼げるということや
火災保険がかなり安くなるという
メリットがあります。
そこで新築住宅における
「省令準耐火構造」について、
その役割と歴史を分かりやすく解説します。
1. 省令準耐火構造の「役割」
この構造の最大の役割は、
「木造住宅の火災安全性を高め、
経済的なメリット（保険料減額）を
提供すること」にあります。
① 火災に対する3つの性能（燃えにくい家にする）
建築基準法で定める
「準耐火構造」に準ずる性能として、
以下の3つの特徴を持たせることが求められています。
もらい火を防ぐ（外部からの延焼防止）
隣家が火事になっても、
屋根や外壁が燃えにくい素材で
作られているため、自宅への延焼を遅らせます。
火を広げない（各室防火）
万が一、部屋の中で火が出てしまっても、
壁や天井の石膏ボードが火をブロックし、
隣の部屋へ燃え広がるのを防ぎます。
火の通り道を塞ぐ（他室への延焼遅延）
壁や天井の内部にある
「火の通り道（すき間）」に、
ファイヤーストップ材と
呼ばれる木材などを詰めて、
火が壁の中を伝って
建物全体に回るのを防ぎます。
② 金銭的なメリット（保険料が半額近くになることも）
火災保険・地震保険の割引
一般的な木造住宅は
「H構造（非耐火）」に分類されますが、
省令準耐火構造にすると
「T構造（耐火構造）」という扱いになります。
これにより、
保険料が一般的な木造の
半額〜6割程度にまで
安くなるケースが多いです。
③ 住宅ローンの要件
フラット35などの
住宅ローンを利用する際、
より有利なプランを
利用するための技術基準として
機能することがあります。
2. 省令準耐火構造の「歴史」
この構造は、建築基準法（法律）ではなく、
住宅金融公庫（現在：住宅金融支援機構）の
融資基準として生まれました。
誕生の背景
かつて日本の木造住宅は火災に弱く、
融資をする側の「住宅金融公庫」にとっても、
貸付対象の家が火事で失われることは
大きなリスクでした。
そこで、お金を貸す条件として、
もっと燃えにくい丈夫な家を
作ってほしいという意図から
独自の基準が作られました。
歴史の変遷
昭和57年（1982年）
制度の開始（2×4工法）
当初は「省令簡易耐火構造」という名称でした。
まずは構造的に気密性が高く火に強い
「ツーバイフォー（枠組壁工法）」から
基準が整備されました。
平成5年（1993年）
名称変更
「省令準耐火構造」へと名称が変わりました。
平成17年〜21年(2005〜2009年頃)
在来工法（木造軸組工法）への拡大
以前はツーバイフォーが中心でしたが、
日本で最も一般的な
「柱と梁で建てる工法（在来工法）」でも、
基準を満たせば認定されるようになりました。
これにより、多くの工務店や
ハウスメーカーで採用が進み、
一気に普及しました。
現在
標準仕様化
現在では、多くの大手ハウスメーカーや工務店が、
追加費用なしの「標準仕様」として
省令準耐火構造を採用しています。
まとめ
役割：
「もらい火を防ぐ」
「火を広げない」
工夫で家族の安全を守りつつ、
火災保険料を大幅に安くして家計を助ける。
歴史：
住宅ローン（旧公庫）の基準として始まり、
ツーバイフォーから
日本の伝統的な在来工法へと
適用範囲が広がり、
現在では「賢い家づくりの常識」
として定着した。
住宅建築の世界では
省令準耐火にすると構造やデザイン、
使える素材に制限がかかります。
そのため、採用していない設計事務所や
ハウスメーカー、工務店もあります。
20年以上前ですが
当時地元の消防団（強制）に入っており
近所（100ｍも離れていない）で母屋2棟を全焼させる
火災が発生し、寝ずに対応した経験があります。
火災対策のない家の火のまわりは
とても早く、ほんの10分くらいで
火と煙がまわってしまいます。
30分くらいで
屋根やガラスを破り
上部から炎の屋根や天井が
落下してきます。
また今年は、築2年のお客様の住宅が
強風に煽られ、10ｍくらい離れた場所から
延焼し（室内は無事）
かなりの被害がありました。
個人的に
デザインや自然素材優先の住宅を
つくることを否定するわけではありませんが
機能的合理性を好みますので
省令準耐火構造を標準にしています。
メリット・デメリット含め
詳しく聞きたい方は
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