こんにちは。
パッシブハウスx
「ずっとお金のかからない家をつくろう」
の工務店 株式会社スズモクの鈴木です。
その目指す理由や、つくる家の詳細は
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『湯けむりの殺意』
ヒートショック・ロマンス
外気温は氷点下2度。
築40年の木造住宅の隙間風が、
容赦なく廊下を凍らせている。
絶好の「決行日」だった。
「あら、清(きよし)さん。
今夜のお鍋、お口に合いました?」
富子(75歳)が、
しわくちゃだが手入れの行き届いた手で、
日本酒を並々と注ぐ。
彼女と清(78歳)が出会ったのは、
シニア向けマッチングアプリ
『シルバー・ロマンス』だった。
プロフィールには互いに
「資産家の未亡人・やもめ」
「寂しい余生を共に」と書いてあったが、
実際は二人とも、過去に3人の配偶者を
「自然死」させてきた
プロの後妻業・後夫業だった。
「ああ、最高だよ富子さん。
とくにこの出汁が……
少し味が濃いめで、酒が進む」
清は笑顔で答えながら、
心の中で舌打ちをした。
(塩分過多だ。この古狸め、
俺の血圧を上げて
血管を破裂させる気満々じゃないか)
だが、清も負けてはいない。
彼はこっそりとリビングの
暖房設定を30度に上げていた。
こたつの中もサウナ状態だ。
血管を極限まで拡張させ、
だらけきった状態で、
極寒の脱衣所へ送り込む。
それが今夜の作戦、
『オペレーション・温度差』である。
「さて、清さん。
体が温まったところで、
お風呂はいかが? 一番風呂、
沸いてますよ」
富子が甘い声で促す。
風呂の設定温度は43度。
心臓麻痺を起こすには十分な熱湯だ。
「いやいや、レディーファーストだよ。
富子さんこそ、肌が乾燥しないうちに入っておいで」
「まあ、お優しい。
でも、私は清さんの背中を
流して差し上げたいの」
「ほう! それは嬉しいが……
いや、まずは君が温まるべきだ。
この家の脱衣所は北向きで寒いからね」
二人の間に、表面上は穏やかな、
しかし実質は
「どちらが先に
死の冷凍庫(脱衣所)に行くか」
の譲り合いが発生した。
「……じゃあ、一緒に入りましょうか?」
富子が爆弾を投下した。
清は一瞬ひるんだが、
ここで断れば怪しまれる。
それに、一緒に入れば
彼女を湯船に沈めるチャンスが
あるかもしれない。
「そ、そうだね。それがいい!
まさに新婚気分だ」
二人は手を取り合い、
リビングを出た。
その瞬間、
猛烈な冷気が二人を襲う。
廊下の気温は5度。
リビングとの温度差は25度。
まさにヒートショックのデッドゾーンだ。
「さむっ……!」
「ひえぇ……!」
二人の血管が同時に
収縮する音が聞こえそうだった。
清は震える手で脱衣所のドアを開けた。
そこは、清自身が事前に
窓を全開にしておいたため、
外と変わらない寒さになっていた。
「き、清さん……窓、開いてませんこと?」
「か、換気だよ、富子さん……カビは大敵だからね……」
ガチガチと歯を鳴らしながら服を脱ぐ二人。
老いた肉体には過酷すぎる環境だ。
清は胸のあたりが締め付けられるのを感じた。
(まずい、俺のほうが先に逝くかもしれん)
富子もまた、顔面蒼白だった。
塩分過多の夕食が効いているのか、
視界がチカチカしている。
(あの爺さん、暖房を上げすぎたせいで……
この寒暖差は計算外だわ!)
「さ、さあ、早く湯船へ!」
二人は競うように浴室へ転がり込んだ。
そこには、湯気すら立たない
熱湯が待っていた。
ザブーーーン!!
同時に湯に浸かる。
「熱っ!!!」
「あつゥッ!!!」
43度どころではない。
富子が追い焚きボタンを連打していたため、
湯温は46度近くになっていた。
極寒から灼熱へ。
二人の心臓は早鐘のように打ち、
血圧はジェットコースターのように乱高下した。
「はあ、はあ……清さん、大丈夫?」
「も、もちろんだよ……富子さんこそ……顔が真っ赤だ……」
二人は湯船の中で向かい合い、
互いの脈拍が止まるのを待った。
しかし、1分が過ぎ、
5分が過ぎても、二人とも倒れない。
実は、清は毎朝の乾布摩擦を欠かさない
健康オタクであり、
富子はサウナ通歴50年の
「熱波の女王」だったのだ。
二人の心肺機能は、
皮肉にも彼らの殺意よりも強靭だった。
「……清さん」
「なんだい、富子さん」
「あなた、もしかして……脱衣所の窓、わざと開けた?」
「……富子さんこそ、鍋に塩、入れすぎじゃないか?」
湯気の中で視線が絡み合う。
沈黙が流れた後、
二人は同時にニヤリと笑った。
「やるじゃないか、婆さん」
「あなたこそ、なかなかのタマね」
この夜、殺人は起きなかった。
だが、二人は確信した。
この相手なら、退屈な老後にはならないだろうと。
互いの命を狙い合う、
スリル満点の「デス・ゲーム婚」が、
今まさに成立したのである。
「背中、流してあげるわ。
石鹸で床をツルツルにしておいたから、
気をつけてね」
「ありがとう。君が上がる時は手を貸そう。
掴まると外れる手すりを付けておいたから」
湯けむりの向こうで、二人の高笑いが響いた。
【教訓】
寒暖差には気をつけよう。
そして、マッチングアプリの
プロフィールは、話半分で信じることだ。
知識は
決して悪用してはならない。
いいことに活用するのだ。
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