こんにちは。
パッシブハウスx
「ずっとお金のかからない家をつくろう」
の工務店 株式会社スズモクの鈴木です。
その目指す理由や、つくる家の詳細は
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日本の冬の住宅事情において、
全館暖房以外は寒い。
多くの日本の住宅で採用されている
「局所暖房(リビングなど人がいる場所だけを暖める方式)」と、
「全館暖房」の間には、単なる室温の差以上の
決定的な違いがあります。
「全館暖房以外は寒い」は本当か?
日本の家が寒い理由と、快適の正解
「リビングは暖かいのに、廊下に出ると冷蔵庫のようだ」
「お風呂に入る前、服を脱ぐのが命がけ」
もしあなたがそう感じているなら、
それはあなたの家の暖房能力が低いからではありません。
日本の住宅の多くが採用している
「局所暖房」という仕組み
そのものが抱える限界なのです。
結論から申し上げます。
「全館暖房以外は寒い」というのは、
快適性の観点からは紛れもない事実です。
なぜ部分的な暖房では寒さを感じてしまうのか、
そして全館暖房がもたらす
「本当の暖かさ」とは何かを解説します。
1.なぜ「エアコンをつけているのに寒い」のか?
リビングで暖房を25℃に設定しているのに、
足元がスースーする、なんとなく肌寒い。
この現象には、明確な科学的理由があります。
輻射熱の不足
人間が感じる温度(体感温度)は、
室温だけでは決まりません。
壁や天井、窓の表面温度が大きく影響します。
体感温度≒(室温+壁・床・天井の平均温度)÷2
局所暖房の家では、
暖房していない部屋や廊下の
冷気が壁や床を冷やし続けます。
室温:25℃
壁・窓の表面温度:10℃
体感温度:17.5℃(寒い!)
つまり、家全体が暖まっていない限り、
壁からの「冷輻射(冷たい遠赤外線)」によって
体温が奪われ続けるのです。
これが「全館暖房以外は寒い」と
感じる最大の正体です。
家全体の断熱性能が高くても
弱点になるような箇所があると
「寒さ」を感じることになります。
下記のようなことも起きます。
2.局所暖房が招く「見えないリスク」
「寒いのは我慢すればいい」で
済めば良いのですが、
局所暖房には健康や建物への
深刻なリスクが潜んでいます。
①ヒートショックの危険性
暖かいリビング(20℃以上)から、
寒い脱衣所やトイレ(10℃以下)へ移動した際、
血圧が急激に上下し、
心筋梗塞や脳卒中を引き起こす現象です。
日本では年間1万人以上が
ヒートショックに関連して
亡くなっていると言われており、
これは交通事故死者数の数倍です。
②結露とカビ
暖められたリビングの空気が、
冷え切った廊下や北側の部屋に流れると、
そこで急激に冷やされ「結露」が発生します。
この環境がカビの原因となり、
喘息やアレルギーを引き起こす要因となります。
③活動量の低下(コタツの罠)
家の中が寒いと、
人は無意識に動くことを拒みます。
「コタツから出られない」のは、
家が寒いからです。
全館暖房の家では、
冬でも活動的になり、
家事や趣味への意欲が維持されやすくなります。
3.全館暖房とは
「暖房器具」ではなく
「家の性能」である
ここで誤解してはいけないのが、
「全館暖房=巨大なエアコンを入れること」
ではないという点です。
どんなに強力な全館空調システムを入れても、
家の「断熱性」と「気密性」が低ければ、
熱がダダ漏れになり、
光熱費が爆発するだけでなかなか暖まりません。
※例外的に北海道では断熱気密が低くても
光熱費がかかろうとも暖房する文化です。
全館暖房を成功させるの条件
1.高断熱(魔法瓶のような壁):熱を逃さない。
2.高気密(隙間のない構造):冷たい隙間風を入れない。
3.計画換気:熱を捨てずに空気だけ入れ替える(熱交換換気など)。
4.空調計画:空調システムまたは各部屋の熱負荷計算など
これらが揃って初めて、
小さなエネルギーで家全体を
春のような陽気にすることが可能になります。
4.「高い」という誤解と、生涯コストの真実
全館暖房は贅沢品で、
光熱費が高いと思われがちです。
しかし、近年の高断熱住宅においては、
その常識が逆転しつつあります。
初期費用:
確かに断熱材や
全館空調システムの導入で建築費は上がります。
ランニングコスト:
性能の低い家で各部屋のエアコンを
フル稼働させるより、
高断熱な家でエアコン1〜2台を
弱運転で24時間回す方が、
電気代が安くなるケースが増えています。
さらに、ヒートショックによる
医療費リスクや、家の中で
快適に過ごせることによる
QOL(生活の質)の向上を含めれば、
「健康への投資」として
十分に回収できるものです。
まとめ:もう「廊下の寒さ」
を当たり前にしない
「全館暖房以外は寒い」。
北海道や欧米の寒冷地では、
家全体を暖めるのは
当たり前の人権のようなものです。
もしこれから家を建てる、
あるいはリノベーションを考えているのであれば、
「キッチンや設備のグレード」
「自然素材」よりも先に、
「断熱性能と全館暖房」にお金をかけてください。
家の寒さは一生ついて回ります。
Tシャツ一枚で、どこにいても
温度差のない家。
一度その快適さを知れば、もう元の生活には戻れません。
まずは一度冬の期間に体験しに
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